売掛債権担保融資とファクタリング それぞれのメリット

企業の資金調達方法には、銀行などから融資を受ける以外にも、「手形割引」や売掛金をもとにした「売掛債権担保融資」や「ファクタリング」などがあります。ここでは、これらのうちの「売掛債権担保融資」と「ファクタリング」について、それぞれのメリットを見ていきます。まず「売掛債権担保融資」は、現在保有している売掛金を担保に資金調達するものです。この際、担保とした売掛債権は譲渡することはできませんし、返済完了まで取引を中止することもできません。

融資の利用には担保の審査があり、不動産を担保としたときと同様で換金の価値があるかが審査されます。担保にする売掛債権は、１回限りの先よりも継続して取引している取引先のものが望ましく、また複数の債権があったほうがより良いでしょう。さらに大口の契約が決定すれば、今後回収できる予定の債券を元に融資が受けられる可能性があり、資材調達なども円滑に進めることができます。もう一方の「ファクタリング」は、売掛債権を買取会社に譲渡し、手数料を差し引いた分の代金を受け取るものです。

すでにサービスは提供し入金を待つ状態の債権ですので、買取会社のリスクも少なく、売掛債権担保融資と比較して買取してもらいやすい点が特徴です。取引先からの支払いが数ヶ月先の債権でも、ファクタリングならば現金化でき、事業資金に回すことができる点がメリットだといえるでしょう。金融機関からの融資に比べれば審査も通りやすいという点もあり、近年利用する企業が増えつつあります。